台湾へ3

2006年 8月24日 台北

5階の喫茶店で林さんはバラのお茶を頼む。僕も何か花のお茶を頼んだ。
彼女の中国語を聞くのは初めてだった。日本語よりさらに可愛いと思った。
僕らはいろいろなことを話した。僕が今回台湾でどこに行ったのか、これからの予定など。彼女の大学のことなどを。彼女と話していると、左わきの下から冷たい汗が流れるのが感じた。
林さんは妹さんの仕事について話していた。妹さんはこの年3月まで日本語学校に通っていた。帰国後銀行で仕事をしていたが、リストラさせられて、今日から政府関係の仕事をするという。

高島屋を出て、三越に向かうことになった。
天母は台北より道が広く、人も少なくごちゃごちゃしていない。
ゆったとしていて、のんびりと時間が流れているようだ。

8月28日 台中

中科大飯店のフロント女性が食堂で、僕の隣のテーブルで朝食を食べている日本からの出張または駐在(推定)オヤジに「〜さん、お久しぶりです。」と日本語でおそるおそる声をかけている。
「おう。」そのオヤジがゆっくり体を彼女に向けて無愛想に言う。お得意さんなんだろうなと思った。


ジャスミン茶を入れたコップを手にもってテーブルに向かうと、僕の名前を呼ぶ女性の声がした。振り向くとメガネをかけた制服がはちきれんばかりの太った女性、去年の夏、このホテルの地下のカラオケのカウンターをしていた呂(ロ)さんだ。

「ひさしぶり、いつ戻ってきたの」

「昨日。」

「そう、元気ですか。」

「元気ですよ。」

彼女と話すと元気をもらえた。